旅に病んで


旅先で病にかかるのは何かと辛いもの。ちょっとした風邪でも腹痛でもやはり普段とは違います。かばんの中に風邪・腹痛・傷の薬くらいは、入れておけば良いでしょう。どんなに旅なれた人でも、水が変わる訳ですから3〜4日程経過すると腹具合の一つも悪くなるものです。食欲にまかせて食べまくっている人は尚更です。

私もご多分に漏れず飯にはいやしいので、お腹の調子が悪くなる事も度々あります。私の場合、宣伝するわけではありませんが、定番の正露丸が良く効くようです。飲んで寝ると翌日には調子を取り戻しています。人それぞれ向き不向きがありますので、自分に合った薬を携帯するのが良いでしょう。まあ使わぬに越した事はありませんが。

30年ほど前の事になりますが、一時期インドネシアのジャカルタに住んでいたことがあります。丁度友人の結婚式があり彼の地元であるバンドンを訪れました。当時はおんぼろバスに揺られての結構長旅に感じました。二泊三日の旅だったと記憶します。結婚式は伝統にのっとり、花嫁花婿とも民族衣装に身を包み真に華やかなものでありました。

さて帰路は途中火山を見物したり、温泉卵を食べたり、観光しながら帰ってまいりました。しかしジャカルタに着く寸前になって腹の具合が悪くなるではありませんか、そうですあの波状攻撃のような腹のしぶり方です。間隔が段々狭まって来るときの苦しい事苦しい事、皆さんもご経験がお有りですね?

それでも脂汗を流しながらなんとか家にたどり着き、トイレに駆け込みました。いやそれからが大変でした。5分おきにトイレに駆け込みますが一向に良くなりません。そのうち寒気がしてきました。
赤道直下でも体が慣れてくると、明け方の25度でも鳥肌が立つ事もありますが、そんな生易しいものではありません。タオルケットを何枚も掛けてもらいますがガタガタ震えて止まりません。そのうち天井も回り始めます、貼りついているトカゲも回っています!

【筆者注: 私は当時独身で、居候を決め込んでいたのは裕福なお宅で高級住宅街の一角に在った。私には20畳ぐらいの部屋が与えられ、ベッド、デスク、部屋の真中にはティーテーブルがあり、帰宅すると季節の果物が盛ってあり、水浴室やトイレなども部屋に完備されていた。このようなお宅の部屋の中にでも、当時光を慕って集まる虫を餌にするためか、しばしば体長20〜40cm位のトカゲのご来駕や駐留を賜る。数年前でもたまたま三流ホテルに宿泊した時、久しぶりにご来駕を賜った、さすがにこの時はもう付いて行けず、すぐにホテルを変わりました。】

話題閑休

え〜と、天井の回る続きから。
万策尽きて病院に行くことになりました、家の子供にベチャ(輪タク)で案内してもらった病院は診療所といったところで女医さんでした。私はもちろん医学専門用語?なんぞ解りませんので、行く前に辞書を調べて、”熱が高い、腹が痛い”とか慌てて覚えました。”下痢”という言葉を覚えていかなかったので、身振り手振りを交えて”5分毎にトイレに掛け込む”のような言い方をしたと思います。名医だったのでしょう全て理解してくれたようです。
私は温泉卵にでもあたったのかと思いましたが、そうでもないようです。カルテを書きながら、水浴は控えるようにとか、刺激物はだめですよとか説明してくれていたようですけど良く解りません。病名も解りませんでした。適当にハイハイと返事をして、「注射はしないのですか?」と聞くと、とんでもないという顔をされました。処方箋を書いてくれてこれを薬局に持っていきなさいとの事、あっこれが医薬分業か!と始めて認識しました。
診察料は500ルピア当時のお金で300円位(今の換算レートでは7円足らず)

薬屋に寄り、あらためて薬を買いそれを服用すると、若かった為か一両日で元気になりました。家の人達に何の病気だったんだろうと尋ねると「かるいマラリアだ、とか擬似マラリアだ」とか言うではありませんか。擬似マラリアなんぞと言う病名があるのかな?今に至るも本当の病名は不明です。
当時日本人の中にも出血性天狗熱にかかり帰国する人も居ましたので、暫らく気になっていました。